H25・PM・午後1試験ストーリー 問1・序
☆はじめに
本文は、プロジェクトマネージャ午後1試験の過去問を基に
ストーリーっぽくしてみたので、内容は多少脚色しています(笑)。
なるべく問題に影響のない範囲で楽しく記録できればと思います。
また問題文だけでなく解答の内容もストーリーに含まれています。
どの部分とかは特に明記しないので実際の回答を見て頂ければと思います(笑)。
このストーリから午後1試験問題の内容が理解でき、問題の意図やモジュールとしてのパーツなどとしても午後2で活用できたら凄いかもです(苦笑)。
凄いかどうか不明ですが(苦笑)別ブログで試みてますので、
よろしければ(笑)
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■設計ドキュメント管理システムの開発プロジェクトストーリー
序章:
主人公L(以下、僕)の勤務しているK社は、大型製造装置の設計から施工・保守までも請け負うエンジニアリング企業である。
ある日の朝、僕は上司から呼ばれた。
僕:『はい、なんでしょか?』
上司:『おう、Lさん。実はなぁ、大変な事になったんや。』
と、上司はいつも以上に眉間にしわを寄せながら僕をじっと見た。
こ、怖い・・そう思う気持ちを振り切って思い切って聞いてみた。
僕:『い、一体、な、なにがあったんですか?』
上司:『うん、それがなぁ。君も知っての通り、うち(K社)の売り上げの多くは、海外の顧客によるもので占められていて、建設現場は各国に点在してるよなぁ』
僕:『はい』
上司『特に大型製造装置の建設では、多くの設計ドキュメントを顧客、現場事務所、設計協力会社とうち(本社)との間で共有し、業務を進める必要があったんで、うちの方で、自社開発したのがEDMSっちゅうわけなんやけど。』
僕:『あぁ、EDMSシステムというのは、僕の中では、自社で開発をした、設計ドキュメントの保管、作成状況をの管理をするための設計ドキュメント管理システムという事くらいしか知りませんでしたが、そんな経緯があったのは初めて知りましたけど、そのシステムに何か問題があったんですか?』
上司:『まぁそうなんや。』
そういいながら自分の机の上に合ったカップに入ったコーヒーを一口飲んだ。
僕:『もしかして、それって社外からEDMSにアクセスができないという問題だったりしますか?それなら私も、EDMSは不便だなと感じてましたが、まぁそういうもんだからと運用レベルで回避するようにと言われて半ば諦めてましたが。』
僕は、以前、仲間内で酒を飲んだ時に皆が話していたことを思い出して聞いてみた。
上司:『そう!!それ、そうなんよ!実は、問題は運用レベルで回避できないくらい深刻になってきたという事で、この前の幹部会で、ついに新EDMSの話が決まったんだよ!』
僕:『あぁそうなんですかぁ。現EDMSシステムでは、顧客から設計担当者設計の進捗状況を確認するのも設計担当者がEDMSで確認した結果をわざわざメールで顧客先に送付していますから不便だなと思ってたんですよねぇ。』
上司:『うん、君らのやりにくさは知ってるつもりだったけど、それだけでシステム再開発提案なんか上にしたら、単なるわがままと思われるかもしれないんで、敢えて黙ってたんだけど、それがね、実はそれだけではなかったんだよ。』
僕:『へぇえ、そうなんですか。うち(本社)以外でも何か問題があったという事ですか?』
上司:『うん、たとえば、現場事務所で最新の設計ドキュメントを見ようと思っても、直接見る事が出来ず、見る事ができるのは、1日1回のバッチ処理で設計ドキュメントを、外からでも見れるファイルサーバだったかな?まぁとにかくそこにコピーしたドキュメントだけなんだそうだ。』
僕:『えぇええ、それは不便ですね。というか最新のドキュメントが翌日しか見れないなんて確実に話のテンポが1日遅れてしまってますよねぇ。』
上司:『そうなんだよ。その幹部会は現場事務所長も出席してたんやけど、今がチャンスと言わんばかりに、もぅほとんど愚痴に近い勢いやったよ(苦笑)』
そう言って、上司は笑いながら、またカップコーヒーを一口飲んだ。
お、僕に話したからか、上司の顔が和らいだみたいで、良かったぁ。
上司:『実はまだあってね、その所長の話が終わると、設計協力会社の担当部長から挙手があってねぇ、所長の話を聞いて、じゃあ私もって感じで、え?ここにもそんな問題が?って内容だったんだよ。』
設計協力会社の担当部長からの話とは以下の内容だった。
以下、幹部会での協力会社側の意見内容より。
・・・
協力会社:『実はEDMSについて、可能でしたら私どもでも改良して頂きたい点がございますが、よろしいでしょうか?』
司会者:『どうぞ。』
協力会社:『皆様もご存知のように、現在弊社(設計協力会社)で作成した設計ドキュメントはいつも御社(K社)の登録担当者様に資料を送付しておりますが、その場合、私ども作成担当から御社(K社)設計担当者様へレビューをお願いしたいという事になり、弊社から御社にレビューのお願いをした時に、御社(K社)の設計担当者様から、まだ登録担当者がEDMSに登録していないようなんで、登録担当者に言って登録されたら、後で連絡します。との事だったのですが、連絡が来るのが翌日だったり、長い時には翌週まで延びてしまった事もありました。そのため改善頂きたいと考えてるのは、もう少し早く登録頂くようご配慮いただくか、もしくは直接参照できれば、弊社としてもスケジュールが立てやすいと思うのですがいかがでしょうか?』
以上、ここまで。
・・・
僕:『あぁ、確かに、登録にタイムラグがあったら設計担当者ともタイムリーにレビューできませんからね。そういえば、登録担当に知り合いがいるのですが、彼も愚痴を言ってました。設計ドキュメントがある日いきなりメールで送られて来て、登録しろと依頼が来るのが忙しい時には対応が大変でついつい後回しになったりで、しかも出張とかあったら社外から登録できないので不便だぁとつぶやいてましたから。』
上司:『なるほどねぇ。登録側でも言い分があった訳やねぇ。』
そういってにやっと笑った。
僕:『でも、だから、つまり、そのために、それらの問題点を改善するために新EDMSシステムを開発するという事になったというわけなんですね。』
上司:『まぁ、幹部会での決定事項として、そういうわけなんや。』
僕:『今伺った限りだと、全員で希望してるのは、直接どこからでもEDMSシステムにアクセスして情報が照会、もしくはメンテできればいいのかなと思うんですけど』
上司:『うん、まさに、そうなんよ。設計担当者はレビュー更新、顧客は進捗状況確認、現場事務所の担当者は参照、そして、設計協力会社は直接登録できれば、君の知り合いの登録担当者の登録もしなくて済むというものなんだよ。』
僕:『なるほどですね。たしかに、それだったら全員の希望がかないそうですね。でも、、、』
と、僕は昨今の色々な事件を思い出した。
上司:『でも?・・・何か気になる事でもありますか?』
僕:『はい、恐らくですけど、社外から直接EDMSにアクセスできないようにしたのは、EDMSの中の情報が顧客の機密情報を含むドキュメント類なんかは当然含んでいるわけですから、わざとそうしたのかなと思うのです。まぁそのおかげで色々な不便な業務運用上の問題が浮き彫りになったのも事実なんで、この機会に改善すべきという自社の上層部からの理解も得られたことはうれしいですけど、その辺りのセキュリティの考慮が結構ネックかと思われるんですけど、こちらに関して何か考えておられるんですか?』
上司は、もっともだといわんばかりに、何度も頷いてこういった。
上司:『うん、そうなんだよ。その点は当然上の方でも十分な配慮が必要で、万一漏えいなんて事にでもなれば、顧客信頼が一気になくなって倒産って事にもなりかねないから、最適な方法を考えてくれる人材はいないかって事になって、上から私に白羽の矢が刺さったという訳なんやけど、私はそのPMをLさんにお願いしたいと思ってるんやけど、頼まれてくれへんやろか』
そういって、またにやっと笑った。
僕:『え?、あ、はい、まぁここまで事情を聴いて、ただの世間話ってわけでもないとは思いましたので(苦笑)、もちろん、お引き受けいたします。』
上司は近くに寄って来て僕の両肩をドンとたたき、
上司:『そうか、助かるよ、うん、頼んだよ。』
僕:『はい、お任せください。ところで、早速ですが、少し質問してよろしいでしょうか?』
上司:『うん、ええよ。』
僕:『まずサーバに保管する電子化されたデータについてですが、セキュリティ面を設計する意味でも、サーバの管理状況を明確に把握する必要があると思います。』
上司:『まぁそうやね。』
僕:『管理については、サーバ運用を委託するということでしょうか?』
上司:『うん、一応、その方向になってるね。委託する場合、定期的な管理レポートを顧客が要求する形で報告をし、さらに顧客が要求する場合は、サーバの管理について監査を行う事が顧客との契約条件として、今後システムの一部の運用を委託する場合とかにこれらの要求事項を満たす必要があるという事やね』
僕:『はい、了解しました。あ、あと、いつから開始する事になりそうですか?』
上司:『うん、今年の4月1日から開始するという事で、まずはプロジェクト計画を練って欲しいんやけど』
僕:『はい、了解しました。』
上司:『頼んだで』
という事で、新EDMSの開発に向けてのプロジェクトが始まった。
<次回、プロジェクト計画に続く。>
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