H26・PM・午後1試験ストーリー 問2・本論3
☆はじめに
本文は、プロジェクトマネージャ午後1試験の過去問を基に
ストーリーっぽくしてみたので、内容は多少脚色しています(笑)。
なるべく問題に影響のない範囲で楽しく記録できればと思います。
また問題文だけでなく解答の内容もストーリーに含まれています。
どの部分とかは特に明記しないので実際の回答を見て頂ければと思います(笑)。
このストーリから午後1試験問題の内容が理解でき、問題の意図やモジュールとしてのパーツなどとしても午後2で活用できたら凄いかもです(苦笑)。
凄いかどうか不明ですが(苦笑)別ブログで試みてますので、
よろしければ(笑)
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■プロジェクト進捗管理ストーリー
本論3:アクティビティに対するリソース割り当て
<前回の続き>
僕は、F課長がまだ何かありそうだぞと思い、黙って聞く事にした。
F課長:『え~、まず今回のプロジェクトリーダのG主任が、クリティカルパス上のアクティビティの約7割、レビューのアクティビティの約7割を担当してもらってます。』
僕は、結構G主任がメインなのか、、、もしかしたらキーマンはG主任かな?いつかG主任にも話を聞いてみたいなぁと思ったが、軽く相槌を打ち、次を聞くことにした。
F課長:『・・・で、残りのそれぞれの3割につきましては、担当者やアクティビティの開始時期が異なっているので、適切な担当割り当てを設定しています』
僕:『なるほど。。。ところで、G主任の稼働状況はどんな感じですか?』
F課長:『あ、はい。G主任の稼働計画は長時間残業は仕方ないとしてこれを前提にしていますが、他のメンバについては残業なしを前提としています。』
これを聞いて僕は、思わずまだ見ぬ、恐らくキーマンであろうG主任の事を考えて
僕:『え~、仕方ないとの事ですが、G主任だけ長時間残業はおかしくないですか?』
と質問してしまった。
しかし、F課長は、そういった質問は想定していたかのように平然と、
F課長:『えぇ、私も計画当初はきついかなぁって思ってたんですが、G主任は私よりもキャリアが長く、しかも昔から培った経験と能力は、他のメンバがまだ若いせいも有りますが、高評価で、実際に今までもこのような状況下でアサインしましたが、昔、スポーツをやっていたとかで結構体力もあるので、乗り切ってくれて助かってるんです。』
僕:『はぁ、そうなんですか。いや、でもそんな風にきつかったら、作業品質とかに影響とか出ていたりしないのですか?』
F課長:『いえいえ、G主任の仕事は、効率が良くて品質面でも安心です。』
(すごい!そのノウハウを知りたい)と僕は、ますますG主任に会いたくなった。
僕:『なるほど、品質面は了解しました。確かにそれはすごいですねぇ。ところで、納期面ではどうでしょうか?効率が良いとの事でしたが?』
F課長:『はい、そうなんです。え~と、たしか過去のプロジェクトで、いやぁ、あれは本当にきつかったなぁ~』
とF課長は、大変だったという風に腕を組んで唸った。
F課長:『実は過去に色々と大変な作業が集中した事がありまして、丁度私がそんな大変な時に身体を壊してしまって、これはもうG主任にお願いするしかない。という事で、ほとんど全ての作業を任せてしまった事があったのですが、それでも彼は見事にその難局を乗り切って、成功に導いたのは、今ではうちの課の英雄です(笑)』
そういってF課長はなんども頷いた。
(すっげぇ。まるで、半沢直樹のような人だなぁ(苦笑)・・・)と思ったので、更に突っ込んで聞いてみる事にした。
僕:『へぇ、G主任は本当にすごいですね。よく納期が間に合ったものですねぇ。難局というとどれほどのものだったのでしょう?』
F課長は、まだその時の興奮が思い出して冷めないのか、少し声も大きくなった。
F課長:『はい!それはもう、開発途中で仕様変更が出たりで手戻りが生じたために、当然納期遅れが発生してしまって、もちろん!仕様変更の大半はお客の要件変更だったのでコスト面は問題なかったのですが、なにせ納期延長は譲ってくれなかったのに、要件だけは何度も変更を要求してくるという状態でした。』
僕:『うわぁ、結構厄介なお客さんですねぇ。それじゃあもう人増やすしかないでしょう?』
F課長:『それが、そうでもなくて、G主任が顧客調整やら要件調整やらをして多方面に駆け回って最後にはつじつまを合わせてくれたおかげで、結果的に人は増やさずに済んだので、蓋を開けたらプロジェクトとしては黒字になったのです。』
僕はますますG主任に会いたくなった。
僕:『確かにすごいですね。G主任と一度お話しできればお願いしたいです。』
F課長:『ええ、ぜひ!』
僕:『ところで、今回G主任を半分以上というか7割というともうほぼほとんどですけど、プロジェクトリーダにしてやり切ろうと考えていると話されてましたが、進捗管理表を見る限りですと今のプロジェクトは遅れてたりしませんか?』
というと、F課長が先ほどの興奮は冷め、またいつものポーカーフェイスに戻り、
F課長:『いやぁ、おっしゃる通り、実は今回のお客も、前ほどではないのですが要件変更が厳しくて遅れは発生してしまってます・・・あ、でも!彼(G主任)ならリカバリできると信じています』
と、F課長が少し厳しい表情になった。
僕はそれを聞き、あらためて進捗管理表を詳細に検討した。
僕:『あ~たしかに、G主任の遅れが目立ちますが、まぁこれはほとんど彼(G主任)が受け持ってるんですから、まぁ目立つのは当然と言えば当然ですけどねぇ』
そういいながら、僕は先ほどF課長が話していたG主任の役割について、気に掛かっていた事を率直に話すことにした。
僕:『F課長、いくら英雄だからと言って、サイボーグではなく生身の人間ですから、そんなにいつまでも上手くいくとは限らないと思います。それに・・・』
F課長:『まぁ、確かにそうです。え?何か問題がありますか?』
僕:『はい、、いや、まだ問題という訳ではないので、リスクという段階です』
F課長:『なるほど、リスクですか。といいますと?』
僕:『G主任の担当アクティビティが7割も抱えている事も、まぁ気にはなりますが、それよりも7割がクリティカルパス上というのが、私としてはとても心配です。』
F課長:『でもやはりクリティカルパス上はG主任じゃないと。今までだって・・・』
といいかける、F課長の言葉を遮った。
僕:『ちょ、ちょっと待ってください。』
F課長:『なんでしょうか?』
僕:『先ほど私が言ったG主任だって生身の人間という事をやはり忘れてしまってますよ。現に今進捗遅れしてるのも、何か理由があるのかもしれませんよ。』
F課長:『あぁあ、そうでした。どうもすみません。大切なのは”今までどうしたか”でなく、”現在どうすべきか”でしたね。』
僕:『さすがF課長、はい、その通りです(笑)。で、私が言いたいのは、G主任がこのままクリティカルパス上のアクティビティの遅れで、彼個人の遅れとかいうよりも、その事自体がひいてはプロジェクト全体が遅れる。に繋がるリスクを抱えている事を忘れないで頂きたいのです。あと、レビュー体制もですが・・・』
F課長:『はい、確かにそうですね。って、え?レビュー体制も問題ですか・・・』
F課長は少し泣きそうだった(苦笑)
僕:『い、いやぁ、問題までいかないのでこれもリスクという事ですから。』
そういうとF課長は少し元気が出たようで、借りてきた子猫のように従順に(笑)、
F課長:『そうですか、レビュー体制についてのリスクもお伺いします。』
と言った。
僕:『はい、レビュー体制なんですけど、これもG主任に7割お任せしてるようでしたけど、確かに今はまだ設計中盤段階なのでそんなにまだ遅れもないように見受けられます。』
F課長:『・・・はい。』
僕:『しかしながら私が思うに、G主任が、自分のレビューをしても意味が無いので、当然他のメンバの成果物のレビューをする事になるかと思うのですが、この方法だと、G主任には、個々の成果物はそう大した量でなくても、なんせ全体の7割分の量の負担が少しずつじわじわ、もしくはある時期に集中したりして、結果的にレビューが滞ってしまう、もしくはチェック不十分になるんじゃないのでは?と懸念します。』
F課長:『はぁ、なるほど。つまり、負荷が大きくなったG主任のレビューが不十分となる事で、他の作業者の成果物の品質低下につながる・・・という事ですね。』
といいながらF課長の顔は少し柔らかくなった。
僕:『さすが!F課長、まったくもってその通りです(笑)』
そういうとF課長は思い当たったかのように、
F課長:『確かに、過去のケースと比べて、最近はG主任の作業の遅れが早い時期に発生し、レビューもいつもの”きれ”がなく、というか、むしろ丁寧さに欠けてきているなと感じていました。でもどうすればいいのでしょうか?』
やはりそうか・・・もしかしたらちょっとお疲れなのかな?それか何か他に問題でもあるのかも。いやぁ、これはG主任に対するケアを重点的すべきかもしれないぞ。と、そう思って、
僕:『そうですねぇ、私が思うにF課長はG主任に対して、不本意だけど作業を任せてしまってる傾向がとても強いと感じます。もしかしたら他のメンバでも、例えば、エさんとかオさんなどは、進捗を見る限り、少し前倒し気味に作業をこなしてるように見えますが、彼らは優秀なのに残業なしなのですよね?』
F課長:『えぇ、確かにそうです。エとオについては、G主任ほどではなくても、まぁそれなりに中堅の部類で優秀です。それに今までも何度かG主任とチームになってますので、彼らは気心が知れてる感じですかねぇ。』
僕:『なるほど、そうなんですね。じゃあいっその事、次の英雄を育てるという意味でも、ココは彼らにG主任の持ち分をシェアしてG主任の負荷分散を測りませんか?』
と、僕がそういうと、F課長は、暫く考えていたが、
F課長:『そうですね。いつかそういう時期が来るとは思ってましたが、まさに今なのかもしれませんね、わかりました、早速担当変更と関係各位へのそのあたりの負荷調整を測ってみます。』
僕:『そうですね。F課長、私のお話をご理解頂いて助かりました』
F課長:『いえいえ、感謝するのはこちらの方です。本当に助かりました。』
そういってF課長は今までのポーカーフェースから想像できないくらいな笑顔になって、僕を見た。
(なぁんだ、結構笑うと童顔なんだなぁ。F課長っていくつくらいなんだろ?)
と思ったがそれよりも、僕は慌てて、
僕:『F課長、油断は禁物ですよ。プロジェクトはまだ終わってないのですから』
そういうと、またいつものポーカーフェースに戻り、眼鏡を上にあげながら
F課長:『あぁ、そうでした。これからもお願いします。』
と言った。
その後、軽い談笑で、前にも飲んだ苦めのコーヒーを飲んだ後、2人はまたエレベータ前で別れた。
(いやぁ、負荷分散したとはいえ、メンバとG主任とのスキルのギャップは結構ネックかもなぁ)
と僕は、帰宅途上で、これから起こる問題を予知したかのように不安になった。
後日、F課長から、G主任の担当アクティビティのうち、他のメンバに担当させることができるモノを選定して負荷分散調整を行ったところ、G主任の表情が以前の時のように心なしか明るくなり、作業の遅れもいつものカリスマ性を発揮してリカバリ出来そうな状況。との、感謝のメールがあり、僕は、前に感じた不安は気のせいだったのかもな。と、ほっと胸をなでおろした。
・・・・そうして、順調に行ってる外部設計が終盤に差し掛かった頃、悲しい事に僕の不安は的中してしまった。
<次回、外部設計の遅延対策に続く。>
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