はじめに。

このブログは決して読んで合格するような大それた内容ではございません。

ただ僕の勉強をここで日々ブログにしたらいいかなという他者に申し訳ない

緩い考えのブログですが、内容はちょっと(かなり?)コアですが、同じく

高度情報処理を勉強しようと思う方であればきっと中には楽しんでくれるかも。

少なくてもお堅いイメージの内容を面白おかしく印象的な解き方を手法とでき

ないかの研究も交えてなので、僕的には結構楽しんでます♪

注: 問題文を見ないと、何のことかわからないと思うのが欠点ブログとなっています(苦笑)。

なので、お手数ですが以下のサイトで対象年度の問題・解答などをダウンロードして頂ければと

思います。

過去問題(問題冊子・配点割合・解答例・採点講評) など

↑ PMは春期試験です。



H26・PM・午後1試験ストーリー 問1・本論2

☆はじめに

本文は、プロジェクトマネージャ午後1試験の過去問を基に

ストーリーっぽくしてみたので、内容は多少脚色しています(笑)。

なるべく問題に影響のない範囲で楽しく記録できればと思います。

また問題文だけでなく解答の内容もストーリーに含まれています。

どの部分とかは特に明記しないので実際の回答を見て頂ければと思います(笑)。

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■人材管理システム構築ストーリー

本論2:人事部へのヒアリング

<前回からの続き>

人事部のN課長から、部下のTさんに話をしておいたので聞いておいて欲しいという旨のメールが入っていた。

早速僕は、明日は午後約束の営業部)M部長のヒアリングがあるため、午前中で人事部側のヒアリングを終えられそうかどうかの打診を返信し、間もなく、”承知しました”という回答が返って来たため、明日は直行する旨を上司にメールした。

 

翌日、僕は、J建設に約束の時間の10分前に到着した。

ちょっと早いかなと思ったが、受け付けの電話で、人事部の担当者Tさんの取次ぎをお願いした。しばらくお待ちくださいという受付の返事で受話器を置いた。

5分ほどして担当者が手帳を持ちながら現れ、昨日とはまた違った小会議室のようなところに案内された。

 

Tさん:『Kさん、はじめまして。Tと言います。お話は課長のNから伺っています。3つの基幹システムについてヒアリングしたいとの事でしたが?』

 僕:『はい、そうなんです。概要程度で結構ですので現在の状況がどういうのか、現状の問題点も含め乍ら、ぜひご教示頂ければと思います。』

 Tさん:『かしこまりました。』

 Tさん:『Kさんも既にご存知かと思うのですが、3つの基幹システムは、現在、社員情報システム、業務経歴システム、そして研修管理システムとなります。』

 僕:『はい。伺ってます。』

 Tさん:『では、まずは社員情報システムからご説明いたします。』

 僕:『お願いします。』

 Tさん:『社員情報システムは全社員の所属、役職、職能資格などの情報を管理していまして、辞令があった場合に、その情報を人事部が社員情報システムにデータ入力して、マスタのデータベースとして他システムに情報配信しています。』

  僕:『なるほど』

 Tさん:『次に業務経歴システムですが、管理しているのは、現在までに担当した案件の名称と期間、業務内容、そして担当した技術分野などの情報です。』

 僕:『はい。』

 Tさん:『一応、表計算ソフトを使って作成された業務経歴記入シートによって社員から報告されたデータを人事部でこのシステムに取り込んでいます。』

 僕:『一応・・といいますと?』

 Tさん:『あ、はい、実は、業務内容、担当した技術分野の記入方法は社員に任されていて統一されていないという問題があるためです。』

  僕:『すみません。記入内容が統一されないという事で具体的にどのような問題があるのでしょうか?』

Tさん:『簡単に言いますと、エントリー時に内容を確認するのですが、詳細に記述している人もいれば概要程度にしか書いていない人もいるため、色々と記入内容が統一されないために確認に時間がかかってしまうといった問題でしょうか。』

僕:『なるほど、分かりました。』

Tさん:『あと、研修管理システムですが、社員による研修や公的資格情報を管理していて、表計算ソフトを用いて作成された研修・公的資格記入シートによって社員の報告データを人事部がこのシステムに取り込んでいます。』

僕:『なるほど。内容はよくわかりました。ところで、これらシステムの問題点などあったりするのでしょうか?』

すると、Tさんはよくぞ聞いてくれたとばかりに、少し身を乗り出して、

Tさん:『実は、情報登録するための各記入シートというのは一応テンプレートとして社員が必要な情報を記入する形式なのですが、この記入が面倒で記入フォーマットが統一されていないので記入しづらいという意見が多数出ています。』

僕:『そうですか。それでその問題を今回の新システムで改善する必要があるという事ですね』

Tさん:『はい、そうなんです。よろしくお願いします。』

そういってTさんは深々と丁寧にお辞儀をした。

と、その時、N課長が部屋に入って来た。

N課長:『Kさん、どうですか?Tの話で内容分かりましたでしょうか?』

 と、Tさんをちらりと見て、少し心配そうに言った。

 僕:『はい。お陰様で3つのシステムの概要とそこに抱えている問題点を改善したい事情がわかりました。』

N課長:『そうですか。それは良かった。じゃあ、Tはもう気が済んだかな?』

と、少し微笑みながらTさんを見た。

”もしかしてTさんが昨晩僕に話をさせて欲しいとN課長に頼んだのかもしれないな”と僕は思った。

Tさん:『はい、十分です(笑)。もしKさんにご質問などないようでしたら、私はこれにて退席させて頂いてよろしいでしょうか?』

僕:『はい、後はN課長とお話ししますので大丈夫です。どうもありがとうございました。』

Tさん:『そうですか、それでは失礼します。』

と、少し安心した表情でTさんは軽く会釈して部屋を出て自分の部署に戻って行った。

僕は席に座ってコーヒーを飲んでいるN課長を見ながら、

僕:『N課長、Tさんから聞いた問題点は御社の社員が記入の際に使うシートに関する使い勝手の悪さが問題と伺いましたが、その他に何かありますか?』

N課長:『はい、Tが話した問題点以外にも、大きく2つの問題点があります。』

僕:『そうですか。ぜひお聞かせください。』

N課長はコーヒーカップを机に置き、ホワイトボードの前に立つと、ペンで問題点を書き出しながら話し始めた。

N課長:『まず、社員の報告が時期は期末に集中してまとまって上がって来ることが多いのですが、1つ目の問題として、人事部の取り込み作業が期末に集中して、その負荷が相当高くなっている点です。』

そういって、N課長は、”期末集中”と”負荷”のところに丸く何度もぐるぐると描いた。

僕:『なるほど、では2つ目はなんでしょうか?』

N課長は、2点目の方が重要だといわんばかりに少し声が大きくなった。

N課長:『え~2つ目の問題は・・・人材データの確認をする作業なのですが、データが結構複数システムに分散していて、各部門からの問合せに対して個別のシステムから情報収集を必要とする事が大変で、そのため内容の確認にかなりの時間をかけてしまうので、問い合わせ対応が間に合わない状況となっている点です。

そういって、少しため息をつきながらコーヒーを飲んだ。

僕:『そうですかぁ。それでN課長として何かお考えがありますでしょうか?』

N課長:『そうですねぇ。Tが思っている記入シートの内容は、当面そのままで、社員がシステムに直接入力して頂いた方が人事部での取り込み作業がなくなるのではと思うのです。』

僕:『そうなんですか。』 

N課長:『はい。あと、人事部の取りこみ作業がなくなれば、各部門からの問合せにも、今回の新人材管理システムを検索するだけで対応できるでしょうから、問い合わせにも短時間で対応できるという利点があると考えています。』

そういってN課長は2つの問題点を書き終えて、またコーヒーを飲んだ。

それを聞いて僕は、先ほど頭を下げて僕に頼んでいたTさんの顔を思い出した。

僕:『なるほど、確かにN課長のお考えはよく分かりました。ただ、やはり一番使っている社員の入力に対する要望を無視する事はリスクではないかと思うのです。と申しますのも・・・』

そういって、僕はホワイトボードに書かれた2つの利点を見ながら付け加えた。

僕:『今回の新システムが目指している目的は、現状の業務上の問題を解決するために、3つのシステムを統合し社員の情報を一元管理する事と伺ってますから、Tさん自身は、確かに要求検討委員会に参加しているメンバという訳ではないのですが、この要望は社員の多くが思っている業務上の問題点であると伺っていますから、ぜひとも解決すべき課題として、仕様に反映させる必要があると思うのですが。

N課長:『なるほどですね。いやぁ、人事部の中の問題改善ばかりしか考えていなかったようで、業務改善のための新システムなのに社員が不便だと思ってたら本末転倒ですよね(苦笑)。危うくシステム全体の目的を失念するところでした。どうも失礼しました。』

N課長は、少し気まずそうに目を伏せながら、コーヒーを飲みほして、また僕の方を見て、

N課長:『それで、Tさんから出た問題点についての対策はあるのでしょうか?』

 僕:『そうですねぇ、例えば、シート内の人材関連情報の項目と記入方法を整理するというのは、どうでしょうか?記入例などを設けて入力規約とすれば内容統一もされて確認の手間もかなり減少するのではと思われます。』

 N課長:『なるほど。それなら改善できそうな気もします。よろしくお願いします。』

 僕:『承知しました。それでは次回の第2回の要求検討委員会でご提案させて頂きます。』

 時計を見ると時間は正午までもうすぐであった。

N課長はホワイトボードに書いた文字を消しながら、 

 N課長:『Kさん、午後から営業部のM部長と打ち合わせでしたよね?もし良かったら、お昼どうですか?といっても近くの定食屋ですが、もし宜しければ(苦笑)』

 僕:『ありがとうございます。ぜひ、ご一緒させてください。』

 僕はそういって、N課長と会議室を出て、定食屋に向かった。

 <次回、営業部門へのヒアリング続く>

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